発電方法についてのまとめ

・日本における各発電方法の割合

 2020年の発電量で比較したときに火力発電が最も高く、その次に太陽光発電、その次が水力発電となっています。その後の順番は原子力バイオマス、風力、地熱となっています。

出典:資源エネルギー庁 「集計結果又は推計結果(総合エネルギー統計)「時系列表」より

・各発電方法の仕組み

 ここでは火力発電、原子力発電、水力発電風力発電太陽光発電地熱発電バイオマス発電の仕組みについて紹介していきます。

 

・火力発電

 火力発電は、燃料として石炭や石油、天然ガスなどを使用して発電を行います。発電方法については、燃料を燃やすことで発生した熱を用いてボイラー内で水を蒸発させます。その生み出された水蒸気を用いてタービンを回すことで発電を行います。またタービンを回すために使われた水蒸気は復水器を用いることで再び水に戻り、ボイラー内で水蒸気となりタービンを回すために活用されます。

原子力発電

 原子力発電は、燃料としてウランなどの放射性物質を使用して発電を行います。発電方法については、まず、燃料となる放射性物質を原子炉内で核分裂させ、高熱を発生させ、水を水蒸気に変換しタービンを回すことで発電を行います。基本的には火力発電と同じで、タービンを回すために使われた水蒸気は復水器を通ることで再び発電を行う他の水に変換されます。

水力発電

 水力発電は、ダムや河川などから水を取水口と呼ばれる入口から鉄管に流しを発電所で発電を行います。発電所では、鉄管から落ちてきた水の落下する位置エネルギーを用いて水車を回します。そして水車に繋がれた発電機に水車が回転することで発電されます。そして水車を回すために使われた水は排水口を通り河川などに戻ります。

風力発電

 風力発電は、自然の風を使って発電を行います。まずブレードと呼ばれる羽の部分に風があたることによって回転します。その回転によって機器内部の発電機に直接発電させます。また増速機と呼ばれるギアを用いて発電に必要な回転数まで持っていくものがブレードと発電機の間にあり発電するタイプのものもあります。

太陽光発電

 太陽光発電は、太陽の光を使って発電を行います。まず、ソーラーパネルの中にはP型シリコン半導体と呼ばれるプラスの電気を帯びやすいものとN型シリコン半導体と呼ばれるマイナスの電気を帯びやすいものの二つが搭載されています。太陽の光がパネルにあたることで、それぞれのシリコンがプラスとマイナスの電気を帯びます。それによって乾電池のように電子が移動することで発電を行います。また発生した電気は直流電気と言って一般家庭では使えない状態なので、パワーコンディショナーと呼ばれる機材を用いて交流電気に変換します。

地熱発電

地熱発電は、主に火山付近の地域に存在する地熱貯留層と呼ばれるところから出る蒸気と熱水を使って発電を行います。まず、地熱貯留層から出た蒸気と熱水を気水分離機と呼ばれるところで分離します。蒸気はそのまま、熱水はフラッシャーと呼ばれるところで蒸気に変換して発電をするためにタービンに送られます。タービンで使われた蒸気にはガスと水蒸気が含まれており、水蒸気は復水器で水に変換し、ガスはガス抽出から冷却塔に送られ排出されます。

バイオマス発電

 バイオマス発電は、可燃ごみや木クズなどを燃料として発電を行います。基本的には火力発電と同じで、燃焼によって発生した熱を使用し水を水蒸気に変換してタービンを回し、発電を行います。

カーボンニュートラルに向けて

 カーボンニュートラルでは温室効果ガスの排出量と吸収量をゼロにすることを目的としています。温室効果ガスには二酸化炭素が含まれており、日本における二酸化炭素の排出量を見た時火力発電などの化石燃料を用いて発電するものの割合が最も高いです。そのようなこともあり、今回紹介した中で再エネルギーと呼ばれる化石燃料を使わないような火力発電以外の発電方法を選択することが望ましいです。またバイオマス発電は火力と変わらないと感じたかもしれませんが、バイオマス発電で発生した二酸化炭素については自然で完全に吸収されるとされているのでカーボンニュートラルに従事した発電方法となっています。

温室効果ガスとは

日本政府はカーボンニュートラルつまり温室効果ガスの排出量と吸収量の差引を0にすることを目指しています。ここで温室効果ガスとは一体どうゆうものかと思った人もいると思います。なので、今回は温室効果ガスについて簡単にまとめていきます。

 

温室効果ガスとは

 温室効果ガスとは大気中の二酸化炭素やメタンなどの総称を指します。この温室効果ガスが実際に使われるものとしては太陽からの熱を地球の中で保温する効果があります。この温室効果ガスがない場合、太陽からの熱は地球の中でとどまらず宇宙へと放出されてしまいます。そうなった場合、地球上の温度はマイナス19℃まで下がってしまいます。

 

温室効果ガスの種類

 温室効果ガスには二酸化炭素、メタン、フロン、などがあります。二酸化炭素は、自動車からの排出、工場からの排出などによって発生します。メタンは牛のゲップなどから発生します。フロンは主にエアコンや冷蔵庫の冷媒として使われます。ここで冷媒とは、熱を移動させる物質のことをさし、エアコンの場合は、室外機と室内機で室内と室外の気体や液体を変化、移動させることで温度の変化をもたらしています。

 

温室効果ガスが及ぼす自然への影響

 先ほども説明した通り温室効果ガスには太陽からの熱を地球の中で保温する効果があります。しかし、この温室効果ガスは適量であれば問題ないのですが、現在問題になっている二酸化炭素の大量排出などの問題によって量が増えてしまうと、その効果が強くなってしまい地球の温度が上がってしまうという問題が起きてしまいます。それによって北極の氷が溶け海水の量が増えてしまい、それによって海からそこまで高さを持たない生活地域の人たちに大きな被害をもたらします。

カーボンニュートラル

カーボンニュートラルについて

カーボンニュートラルとは2020年7月に日本政府が公表した、温室効果ガスの排出量を実質ゼロにすることを目標として掲げたものです。どういうものかというと産業や工業などで生まれるまた、わたしたちの日常の中で発生する温室効果ガスの排出量に対して自然の中での変換を行う量を差し引いた量をゼロにするものとなっています。

 

温室効果ガスとは

温室効果ガスとはガソリン車や呼吸などから発生する二酸化炭素や、生ゴミなどから発生するメタンなどを総称した言葉となっています。この温室効果ガスは、太陽からの熱を保温し、宇宙へ逃げていくのを防ぐ効果があります。もし、温室効果ガスが無く、太陽からの熱が全て宇宙へと逃げてしまった時、地球の温度はおよそマイナス19℃まで下がってしまい人間や他の生物が生きていくことが難しい状態となってしまいます。しかし温室効果ガスが増えすぎてしまうと海面水位の上昇や食糧を安定的に確保することが難しくなってしまうといった問題が発生してしまいます。

 

・なぜニュートラルなのか

人間が火を使いだしてからこれまでの間たくさんの温室効果ガスを排出してきました。特に産業革命が起きてからは蒸気機関や車の普及など化石燃料を多く使い世界は大きく成長し、それと共に環境悪化も進行していきました。現代社会はそのような過去の技術的な進歩の中にあり、現実的な問題として温室効果ガスを生み出さずに産業や工業などを進めることは困難であるので排出量を実質ゼロにすることつまり、ニュートラルに持っていくことで温室効果ガスの量をこれ以上発生させないようにするためとなっています。